「竜とそばかすの姫」
先週、細田守監督の「竜とそばかすの姫」を鑑賞。その前の金曜ロードショーでまた「サマーウォーズ」を見て、「あぁ、やっぱりサマーウォーズ、最高~♪」とつくづく思った直後の鑑賞でした。高知にゆかりのある友人が公開を楽しみにしているのも知っていたし、アニメ好きの友人が早速本作を観て、Facebookに「社会批評性が強くなった」「こんな映画も撮るんだとちょっと驚いた」と書いていたので、ドキドキしながら映画館に向かいました。
(以下、ネタバレ注意)
これはまったくの個人的感想で、何の参考にもなりませんが、私としては、“すごくもったいない!”と思いました。
というのも、キャラクターの造形も、登場人物たちの関係性も個性も、新たなインターネット世界「U」の設計も、高知の景色や学校生活の描写も、音楽や歌も、パーツパーツはものすごくイイのだけれど、竜の正体や、問題解決に至る方法や、なによりテーマの輻輳的な感じが、なんとなく消化不良だったから。。。
竜の城でのアニメーションは、よもやディズニーアニメの検証実験か?!オマージュか?(パロディの問題提起か?!)と思ってしまうような動きだった一方、JR朝倉駅舎でのカミシンとルカちゃんの挙動不審な動きは従来のコミカルな楽しさ満載だったし、Bellの歌唱シーンはミュージックビデオのような演出感たっぷりな艶やかさで…、一つの作品内で色々なトライアルが行なわれているような印象を持ちました。まぁ、「サマーウォーズ」に心酔しきっている自分が、それ以外の細田監督作品を軽々には認めたくない心持ちなのかも…とも思うわけですが…^^;;。
私が好きだったのは、毒舌メガネ女子のヒロちゃんでしたが、それ以上に、もっともっと主人公“すず”のお父さんを掘り下げて欲しかった気持ちでいっぱい! あんなに素敵なお母さんを突然失くした父子が、あんな素っ気ない会話だけで何年も過ごすものだろうか…?というのが腑に落ちず、竜の正体はお父さんだと、ずっと推測しながら観てしまいました^^;;。
テーマ性という点では、ものすごーく重い家族の話や、ネットの匿名性による傍若無人な人間性の話、そしてWebの善悪併せ持つ特性が、どれもとても難しいテーマなのに、それらが全部詰め込まれていることで、受け止めきれない感覚に陥ってしまったこと。(東京2020をめぐる“辞任ドミノ”等、現状のネット動向に引っ張られて、サブテーマが強調されて見えてしまったのかも…汗)
また、誰しもが抱える“秘密”がちょっと肩透かしのような軽さに見えてしまったのも、“もったいない”感を強めてしまったのかもしれません。「U」の世界のジャスティンのバックグラウンドも気になるところ。。。その辺は敢えてマイルドな表現にしたのかもしれず、現実的なひとりひとりの闇を掘り下げだしたら、ひとり分でドラマが出来てしまうのでしょうけれど。。。
結局、「お母さんの死をやっと受け入れられた娘」というテーマオンリーだと解釈すれば、「やっぱり似た者親子だね」と、素直に観られること間違いなし。お父さんや忍君やヒロちゃんや合唱隊のおばさんたちに見守られながら大きくなった“すず”は、実はものすごい幸せ者で、だからこそ、お母さんと同じ心根を持った素敵な女性に成長できたんだね…と。お母さんに救われた“あの子”は、一体どうしているんだろう…?
多層的に見られる作品だから、いろいろなスピンオフを脳内妄想してしまいそうです^0^;;;;。「ひとかわむい太郎」と「ぐっとこらえ丸」のようにアレコレいろんな人と感想を分かち合ったあと、もう一度観に行こうかな?♪
(意欲的な作品、ありがとうございました!)
【卓球混合ダブルス金!】 昨夜、水谷・伊藤ペアの決勝をナマで見守りました。見事な金、おめでとうございます! 感動をありがとう~!!
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