ウェビナー2つ
先週の4連休中、外出自粛ということもあり、2つのウェビナーを聴講。
① 1つは、JILISのDay3のプログラムで、「データ駆動型捜査時代の規律方法」と「ディープフェイクに関する各国の法規制の動向」。
② もう1つは、恩師2名の対談による「著作物の『類似性』をめぐる理論と実務」。
①は、今や監視カメラは当たり前、ドライブレコーダーだのヘルスモニターだの各種センサーだの、個々人レベルのデータ収拾も一般化する中、顔認識システムやGPS位置情報取得等AI を駆使したデータ駆動型捜査における個人情報保護の状況を知りたいと思ったから。また、デジタルクローンといった自主的な分身アバターの投入も始まりつつある中でのディープフェイク法制も気になったため。②は、著作権でも商標でも問題となる「類否」判断は、いつまで経っても線引きが難しいので…^^;;。以下、自分用メモ。
〔JILIS Day3〕
ーーデータ駆動型捜査時代の規律方法
・捜査関係事項照会が大規模化・不透明化・不公正化しつつある
・刑事訴訟法197条5項の保秘条項により、データ取得が本人に知らされないことがある
・日本図書館協会の令状主義原則、BRAVO
・スティングレイ:携帯の無差別傍受(規制法案提出)
・米・カナダ・英・欧州には事後規制も→日本は誰が監督?
・2017年最高裁大法廷にて全員一致で令状必要(GPS)
・日本の「十分性認定」は十分か?(プロセス不透明)
・Goverment Accessが広がる中、域外捜査は日本だけ見ていてもダメ
・『電脳空間と刑事手続』
ーーディープフェイクに関する各国の法規制の動向
・フィルターバブル、フェイクニュース、ディスインフォメーション、マイクロターゲティング、アドテク
・ブリトニー・カイザー『告発』
・サードパーティCookie→フィンガープリント
・EUと米の世論誘導排除の動き(cf.連邦IOGAN法)
・DARPA:自動検証システム開発(withロッキード・マーチン)
・マスメディアのアドテク依存
・規制すべきもの/すべきでないもの:基準は誰が?
今後はますます“お茶の間法”化していくであろう個人情報保護法と、捜査への情報提供との関係は、ウォッチしていきたいところ。
〔著作物の類似性〕
・LL.M.の「知的財産法研究II」の全15回のカリキュラムと「紛争処理法」のご紹介、なつかしいぃ~!
・ジャンルごとの侵害/非侵害の裁判例整理と、商標の先登録との類否判断(誤認混同の考慮が悩ましい…^^;)
・「類似性」:講学上の概念(創作的表現の共通性)→部分と全体の問題(創作的表現一元論 vs. 全体比較論)
・創作性の高低(or 選択幅の広狭)と類似性判断は連動する!
・2021年ドイツ著作権法改正:24条①(※色褪せ削除、パロディ明文化)
・表現/アイディア二分論と、男女グラデーションのアナロジーを想起(境界線は不明確で曖昧性は必然)
・誰を基準に判断すべきか?、国際比較も面白そう
・『<ケース研究>著作権の類似性判断』
なつかしくご講義を拝聴しました、ありがとうございました。そして、現状の私の立場は、「クリエイターは、すべからく前作をリスペクトすべし!but 全体比較論支持」かなぁ~^^。「フリーライドを目論む輩はクリエイターとは認定できない」ってこと! クリエイターを補助し、対比キャラクターや対照図案を適切に提示反論するには、たゆまぬ鑑賞・調査・勉強が必要ですね~。
【益川氏ご逝去】 「小林・益川理論」の益川先生の訃報。ご冥福をお祈りいたします。
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