2021年裁定請求第1号
特許法第93条には、公共の利益のための通常実施権の設定の裁定について規定されています。
先日、大学院時代の友人から情報共有していただいて知ったのですが、先月この2項に基づいた裁定が、初めて請求されたとのこと!
8年近くの時間をかけて、理研と民間病院と財団法人とで共同研究が行われてきた「滲出型加齢黄斑変性に対する自家iPS細胞由来網膜色素上皮(RPE)シート移植に関する臨床研究」に関してだと思われます。その治験を進めるべく、協議に応じて来なかった株式会社ヘリオスの特許の独占交渉権を突破するための請求とのこと。
日本の裁定制度が利用される最初のケースということで、裁定の行方や理由づけに注目ですね!
急速に視力が低下し、目が見えなくなるという病気は、普通に暮らしてきた人にとっては悲劇と言わざるを得ません。世界にどのくらい、そうした病気で苦しむ人がいるのかは勉強不足でよく知りませんが、失明を防ぐ手立てがあるのなら、それを施すことは公共の利益になると感じます。“公共の利益”をどのように解釈するかによりますが、69条の試験・研究から、実用への橋渡しのひとつの方策として注目です。
昭和34年に制定されてから62年・・・。裁定が求められて然るべきだった研究成果は、もっと もっとあったのかもしれず、そうした検証もなされるべきかもしれません。果たして、RPEシート移植は裁定第1号となるか?!
【先使用権】 先月の『Patent』に、ドイツ・イギリス・フランスの先使用権についての特集がありました。1909年から先使用権を規定している日本では今、ガイドラインも作成して先使用権の活用を促しているようです。もともとは先発明主義だったアメリカはともかくとして、フランスは19世紀中頃から保護しつつも法制化は1968年、ドイツは1877年、イギリスは1977年とのこと。日本で規定されたのが意外に早いのは嬉しい驚きでした。
ところで、イチゴ大福の発祥は1980年代という噂ですが、「具入り大福」という名称の特許出願があって笑ってしまいました^^。もちろん審査請求すらされてはいませんのでご安心を。一方、「雪見だいふく」の特許は今年の3月19日に切れたんですね?!
そんな中、先日、シャインマスカット大福なるものをいただきました。夫は「普通の大福の方が好き」と言っておりましたが、爽やかな新食感で、私は気に入りました~♪
【テレビ体操】今朝、久々にテレビ体操をしてみたら、5人のアシスタントのうち2人が、男性に変わっていてビックリ! でも、女性ばかりだとなんだかなまめかしい印象だったのが、男性が入ったことでようやく自然な感じで見られるようになりました^^;;。
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