『すばらしい人体』
先月、リモートワーク中の夫が突然猛烈な眩暈に襲われ、ふらふらしながらソファで休みました。また、友人が突然心臓手術に臨むことになったり、自分自身も最近は時々手先が痺れるような感覚がしたりと、身体の変化が身につまされることが続きました。
そんな中、書店をぶらついていたら、『すばらしい人体』という本が目に付いたもので、思わず買ってしまい、のんびりと読みました。大きな章立ては以下の通り。
第1章 人体はよくできている
第2章 人はなぜ病気になるのか?
第3章 大発見の医学史
第4章 あなたの知らない健康の常識
第5章 教養としての現代医療
ーーー小ネタがたくさん詰まった本でしたが、私が印象的に感じたのは、身体の内側には「体の内」と「体の外」があり、消化管の中は「体の外」だという話。口から入って肛門から出るまでの「体の外」には、たくさんの細菌が棲んでいるということ。そして、体自体は、自然界に普通に存在する素材の寄せ集めで出来ていて、普通の物理化学法則に則って動いているだけなのに、全体としては神秘的なバランスで機能しているということ。
また、今をときめくパルスオキシメーターは、日本光電という会社の青柳卓雄氏の発明であることや、麻酔というのは「鎮静(意識をなくす)」「鎮痛(痛みをなくす)」「筋弛緩(動けなくする)」という効果の組合せであることや、アスピリンの鎮痛メカニズムの話や、現代医療では浅い傷は消毒しないのがトレンドだという話など、面白く拝読しました。
若い頃に比べ、無理が効かない身体になっている自覚はありますが、良くも悪くも一生付き合っていく相棒である以上、人体のメカニズムへの理解は、常に更新していきたいものですね。
(それにしても、大動脈解離から生還し、今や庭仕事すらできるようになった父もすごいし、心臓弁膜症の手術で10日間も入院したのに、退院後3日目にはもう仕事していた友人もすごい!! 人間の回復力って本当にすばらしい!!)
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