押印のない委任状
コロナによる働き方の変化に伴って、押印に対する考え方も段階的に緩められています。
そんな中、少し考えさせられるケースも。
特許庁のQ&Aでは、「委任状は、委任者と受任者の間の合意の下、作成されるべきものであり、かつ、代理人が自己の責任において提出することになるため、特許庁は、これを真正な委任状として受理することになります。」(Q2-4)とあります。つまり、昨年末からは一部の委任状に押印は不要になったわけです(押しても問題はありませんが…)。 コロナ禍のさなかに起業したような人の中には、思惑通りに事が進まず、事業整理を余儀なくされた方も多い中、当初出願していた案件も、これ以上の権利化を望まないケースというのもあると思われます。出願に関しては、放置すればいずれは“出願却下”になるとはいえ、なんとなくきちんと整理したいという場合は“出願取下書”を提出する場合もあるでしょう。その際に補足提出する委任状にも、押印は不要となりました。
まぁ、権利の移転関係手続に関する委任状にすら押印不要になったのだから、出願取下に関する委任状にも押印不要なのは納得できますが、なんだかちょっと…という気分です。(委任状もネットで提出できるようになるのはいつ頃でしょう…?)
思えば、委任状に押印をいただくためには、委任者と受任者の間で郵便なり手渡しなりの一往復のやりとりが必須だったところ、この手間がなくなって、メール等で内容確認だけ行えばよくなったわけです。ただ、いざその押印のない委任状を眺め、特許庁へ提出、となった時、委任者と受任者と特許庁との三角関係が、委任者・受任者と特許庁との二者関係になったような印象で、代理人の責任が重くなったように感じてしまう私は、昔ながらのハンコの威力に毒されているのかな…^^;;;。
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