「イカゲーム」「Catch me, if you can」
今年9月に配信開始となり、早々に「ブリジャートン家」の記録を塗り替えたという韓流ドラマ「イカゲーム」全9話を先週見終えました。(以下、ネタバレ注意)
凄惨なシーンが続くサスペンスドラマで、展開は気になるものの、正直直視するには胸が悪くなるストレートな殺戮も数多くありました。
ただ、見続けているうちに、いろいろな問題意識を刺激されたことも確か。
1つは、“お金”は、持ち過ぎても持たな過ぎても、心にはあまり良い効果はなさそうだ、ということ。持つ者は卑屈な優越感に歪み、持たざる者も卑屈な劣等感に歪む。まぁほどほどの所で満足できるかどうかが幸せのカギなんでしょうが、それが出来ない人のサガのようなものの厄介さ。
2つ目は、このドラマで繰り広げられるゲームの数々が、地球上の全人類の営みの縮図のように見えること。限られた資源を、人の数でできるだけ公平にシェアしていくべきなのに、快適に生きていくために、どうしても奪い合ってしまう人のサガ。自己中心的な悪人はいわずもがなながら、善人になろうともがきながらも、どこかで人を裏切ったり、暗黙のうちに奪っていたり、きれいなだけでは生きていけない競争社会の現実。本来は、食べるのに必要な分以上に稼いだら、それは何から奪ったものなのかをいつも考えないといけないのにーーー。
現代社会に拡がる数々の問題は、環境問題も含め、あまねくこの人のサガに起因しているようにも思える中、究極の解決策は“人がいなくなること”だと常々感じてしまうわけですが、そうした極論は最終的に自然が下すものであって、人が自らそれを選ぶことは出来ないだろうと思うと、最善策を模索するしかない・・・そういう諦観が、ラストで主人公とカンブが交わす最後の賭けの結末に表現されていたように思いました。
微かに続編の可能性を残しつつ、ひとまずのエンディング。救いのない世の中を見せられたようでもありながら、真面目に生き、自分なりの最善を尽くし、人への思いやりを忘れなければ、少なくとも壮絶なイカゲームに巻き込まれ加担することはないだろう…という、妙な安堵を得たのでした…。
【Catch me, if you can】 あまりのラストだったので、イカゲームで消えていった人達を偲んで(と言い訳にしつつ)韓国焼酎“チャミフル”を買い込み献杯^^;;。キムチとグラタンという奇妙な取り合わせの晩御飯を準備して、気分をリフレッシュできそうな映画を探して、夫とふたりでAmazon Prime鑑賞。選んだのは、トム・ハンクスとレオナルド・ディカプリオの“Catch me, if you can”。ルパンと銭形警部さながらの関係性を築く、詐欺師とFBI捜査官の話。2週間の勉強でルイジアナ州の司法試験に受かってしまうほどの能力を持ちながら、詐欺師稼業からなかなか足を洗えない青年が、やがては更生していくのですが、ラストは快感でした♪ 実話に基づいた脚本だというから、尚更痛快! 良い気分転換をさせていただきました~^^。
(Downton Abbeyの映画第二弾のビジュアルも公開になりましたね~♪)
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