3つのドラマの最終回
先週、今期私が見ていた3つのドラマがそれぞれ最終回を迎えました。
「日本沈没」「ラジエーションハウス」「最愛」の3つです。
「日本沈没」は、官僚ドラマであると同時に、大規模な地殻変動に対する大いなるバーチャル予行演習でしたね。最後の最後に感染症やら特許開放の話まで出て来るとは思いもしませんでしたが、国や世界の存亡の危機に際して、中枢で行政を担う人はどんな風に動くんだろう…というのは興味深い。
私が一番感動したのは、何話だったか…、日本未来推進会議の面々が集まり、これからの仕事を打ち合わせる場面で、
「じゃぁ、君はこれをやってくれ」
「やってあります!」
「君はあっちを」
「すでに整理してあります」
…と、仕事を振られる前に、自ら考えて各々が前もってデータ整理などを行なっていたシーン。
そうそうそう! デキる官僚っていうのはこういう人達を言うのだろう♪ と痛く感動しました(笑)。でも一方で、こういう風に動くのは、どうしたって自分の時間を割かなければならず、団欒に満ちた家庭を維持するのは至難の業だろうなぁ…とも(涙)。
「ラジエーションハウス」は、まだ原作コミックスが続いているのか、第2シーズンも何やら余韻を残すものでした。素直に、チームワークっていいもんだな、と思えたドラマ。五十嵐君の恋の行方はいかに?!
そして「最愛」は、今期のダークホースでした。どんどん謎が謎を呼び、最終回を迎えるまで、それらが全然見通せなかったのは見事。ただ、最後はあまりに盛りだくさんなネタばらしで、少し感情への寄り添いが難しかった…。弁護士の加瀬さんに「法律では守れないものがある」と言わしめたところは滅茶苦茶説得力があったものの、15年前のあの雨の夜の事件は、法律でこそ守られるべき出来事だったのでは…という思いが拭えませんでした。「真田ウェルネス」まわりのすべての事件が、誰かが誰かを愛するがゆえに起きてしまったのですが、最終的に、ヒロインを愛する大ちゃんが、すべてを暴くことになってしまったところが、尚更哀しかったなぁ。でも、“隠す”ことでは幸せは得られない、というのを身をもって体現したという意味では、梨央と優を解放したのはやっぱり大ちゃんだったのかも…。
そして、今度の日曜夜は「青天を衝け」もいよいよ最終回。慶喜のことも渋沢栄一のことも、大して知らなかったのですが、今回のドラマでずいぶん印象が変わりました。シーンとしてはやはり、平九郎の最期が忘れがたいーーー。ラストくらいはリアルタイムで観られるかな~。
【The Power of the Dog】また先日、友人が観たというカンバーバッチの「パワー・オブ・ザ・ドッグ」を英語字幕で鑑賞したのですが、日本語字幕にしなかったことを大後悔。息子ピーターの、母親への偏愛の不気味さだけが、静かな余韻として残ったのですが、ヴェネツィア国際映画祭銀獅子賞を受賞するほどの、主人公フィルの心の機微を感じ取ることが出来ず…(T T;;;。ピーターに贈るためにロープを夜通し編んだフィルの満ち足りたような表情が、哀しさを倍増させていた感じでした。。。こういう感性を評価する欧米人って、私が思っているよりずっと繊細なのかな…。
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