オーファンワークス実証事業
先月の『Patent』誌の最初の一稿を拝読し、2019年度から日本弁理士会も、「オーファンワークス実証事業」のオブザーバーとして同実行委員会に参加していたことを知りました。
オーファンワークスの利活用に関しては、かねてよりとても関心があり、様々な先生方のレポートにも極力目を通すようにしていますが、なかなか実効的な施策は見当たりません。それだけ著作権が強力だということですが、一般的に著作者は、できるだけ自分の作品を広く利活用して欲しいと願うもの。ただ、自分の権利を管理するのは面倒。出版社やJASRACのような管理団体がいてくれればまだしも、写真や絵画やドラマ等、また個々人が匿名でネットにアップしたような作品は、利活用したくても著作者・著作権者の捜索は至難の業。たいていは、捜索という「相当の努力」を十分行なう前に、利活用を断念せざるを得ません。時は金なり、ですからねぇ。
問題は、いかにこの「捜索時間」を短縮できるか。著作者・著作権者を見つけて、連絡を取り、交渉し、許諾を得るーーーこれだけのことをするのに、2日程度の時間で済めばいいのにーーー。それこそ、日本人に関しては、世に生み出される作品が、すべてマイナンバーと紐づいていたら…、と夢想してしまいます。(文化審議会著作権分科会が、一元窓口の創設を検討、というニュースを見ましたが、現実問題、相談業務だけでなく利用交渉までとなると、なかなか大変だと思うのですが、どう実現するんだろう…?!)
【年末調整】 この時期、マイナンバーカードのコピーを求められますが、せっかくICチップが埋め込んであるのに、なにゆえにコピーを取らなければならないのかと、複雑な心境…^^;;。
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