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2022年1月18日 (火)

『特許やぶりの女王 大鳳未来』

20220107_9  1月7日の発売日に、新宿紀伊国屋で入手した表題の書籍。第20回「このミステリーがすごい!」大賞受賞作ですが、それより何より、著者が現役の企業内弁理士さんだというので、興味津々で拝読しました。
 “トリィ”と言うと、私の脳裏にはガンダムSEEDの鳥型ペットロボットが想起されてしまうのですが^^;、本書に登場する天ノ川トリィなるVTuberの魅力はなかなかのもので、是非ともアニメ化して欲しい!と思ってしまいました♪
 “このミス”応募時のタイトルは『バーチャリティ・フォール』というものだったそうですが、書籍化に当たり表題のように変更されたとのこと。主人公の名前も微妙に変えられていたりして、やはり“書籍化”には出版社の意向もそこここに入り込むようで…^^;;。
 とはいえ、面白かった~! 続編も可能なのでは?!
 特許権侵害や冒認出願や専用実施権や無効審判などなど、知財がらみの話のオンパレードですが、それらを分かりやすく織り込みながら、エンタメとして成立させてくれていて、感動しました! ただ、技術をめぐるミステリーはやはりなかなか難しいものだな…とも感じました。1年前なら、“5G”とか“仮想ネットワーク”とか“3Dスキャン”とか“点群モデル”に興奮を覚えたでしょうが、2022年にはすでに少し古い印象すら抱いてしまうくらい、時代の変化が激しいから。。。だからこそ、訴訟や審判という手段を選ばず、ただただ当事者同士で決着を付けようともがくプロたちの丁々発止が面白いわけですねぇ。。。
 私としては、過去にはパテントトロールとして仕事をしていた主人公の“未来”が、なぜ逆に、警告から事業者を守る側に変わったのか…その経緯のドラマも知りたいなぁ~と思いました^0^♪ MOT教育のケーススタディ材料としても使えそう。是非是非、過去編と続編・国際競争編をお願いしまーす!

【重要技術研究開発協議会(仮)】 先週報道された、先端技術育成政策の概要。防衛省が名を連ねていることで、研究者の反応に温度差が生まれそうですが、シビアさを増す予算取りに鑑みると、これに選定されるか否かは大きいかもしれませんね。特許非公開政策の動向とともに注視したいところです。

【刊行裏話】 後日配信された“小説丸”というサイトの著者インタビューが面白かった! 本作、当初はセリフだけの脚本風に書かれたとか、十数回目の応募で最終選考に初めて残ったとか、書籍化に当たっては大幅に改稿されたとか…。こういうインタビュー記事、いいですね~♪

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