『はだかの太陽』
『鋼鉄都市』に引き続いて、アシモフの『はだかの太陽』という続編を読みました(息子はなぜ今頃、アシモフの本を読もうと思ったんだろう??)。
今回は、「ヨシヤパテ」というある種の“唱え言葉”が、鼻に付くほど何度も繰り返し使われていたのが、ちょっと不思議でした。当時の流行語だったのかしらん?
また、「色艶のある女性は書けない」と言われていたアシモフが、無理くり登場させたかのような女性が、やはり印象的でした。
彼女が暮らすソラリアという宇宙国家の暮らしぶりは、広大な個人邸宅にたくさんのロボットをかしづかせ、それぞれ一人で暮らしながら、他人との接触はすべて映像対面…というもの。コロナ禍でリモート交流が増えた今読むと、まったく他人事とは思えません。そして、ロボットは人を裏切ったり傷つけたりしない…というナイーブな認識は危険なんだな、と、改めて実感させられる読書でした^^;。
個人的には、洗濯機だの冷蔵庫だのだってロボットの一種だと思ってしまうわけですが、軍事用の無人兵器など、OECDでも議論が巻き起こっている問題に関し、今のうちにきちんと整理しておくべきだろうなぁ…とも感じました。さらに、NIPTの出生前検査対象拡大の世の中も、本作がとうの昔に問題提起していたんだ…とも思ったのでした。
【次は?】 本作には続編として『夜明けのロボット』『ロボットと帝国』という作品もあるのですが、これは目下絶版で、入手するには中古かKindle版しかなさそうです。次の読書はどうしよう?と迷いつつ、『21Lessons』と『二重スリット実験』という本が気になっています。(ただその前に、「地球外少年少女」というNetflixオリジナルアニメを集中して観てしまいました~…感想は後日^^)
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