「ドライブ・マイ・カー」
第94回アカデミー賞のノミネート作品発表の翌日、「ドライブ・マイ・カー」を観てきました。なんと、4部門でのノミネート!
濱口監督が脚本に関わった「スパイの妻」が割と好みだったので、「えぃやっ!」とTOHOウェンズデーに乗っかってポチってしまいました(笑)。
オミクロン株まん延の中で顰蹙ではありつつも、この苦境の中で上映再開を早々に決断してくれた映画館があったので、厳重注意の上で赴いた次第。平日にも関わらず、結構席は埋まっていました。
9:40~12:50というプログラムで、本編もほぼ3時間という大作! こんな長編を映画館で愉しむのは久々。。。(以下、ネタバレ注意)
「The Power of the dog」の余韻も複雑でしたが、本作も複雑~。。。とりあえず、これから観に行かれる方は、一人で行くのが吉、と思います。一人で映画に没入して観るために…。
この手の賞にノミネートされる作品というのは、エンタメ作品ではないとわかってはいても、どうにも抗えない人間のサガや弱さや運命等を、嫌というほど見せつけられると、苦しくなってしまいます。
劇中劇の「ゴドーを待ちながら」と「ワーニャ伯父さん」も、ある種、不条理だったり、辛い人生でも生きながらえないと…という重苦しさがありますが、本作もトーンは同じ。ただ、演劇等の作品作りに携わる人の、芸術的な探究心や意欲には、目を瞠るものがありました。“テキストにまっすぐに向き合う”という姿勢は、人を謙虚にするのか、俳優女優には魅力的な人が多いのもうなづける気がしました。
存在感があったのは、朱いサーブ900ターボという主人公の車。ナンバープレートが「3982」だったのですが、勝手に「あれはhoneyじゃなく、きっとヤニだろう…」なんて思いながら見てました(苦笑)。この映画の秀逸な点のひとつは、この車が走っている間に、カセットテープから流れる戯曲の台詞と、状況とのシンクロ感。淡々としている分、“感情”よりも“意味”に深く思い至るような感覚がありました。
一方、ラストシーンで、韓国に渡って暮らし始めたらしい“みさき”が乗っていた車のナンバーは、確か「6465」だったのですが、こっちにも何か意味を見出そうと、色々考えてしまいました。でも、日本語の語呂合わせでは何も思い当たらず。。。韓国語だと「육 사 육 오 」(ユッサーユッオー?)…?? (ハングルってまだあまり機械翻訳が充実していないのか、Google翻訳で可笑しな訳が出て来ました…)
こんな映画を観てさえ、数字に引っ掛かってしまうなんて、色気も情緒もあったもんじゃないなぁ~^^;;;。
人は、自分自身だけで変化するのでなく、いつも誰かとの出逢いや触れ合いの中で、お互いに感化されながら変わっていくもの…というのが、「The Power of the dog」でも「ドライブ・マイ・カー」でも、他のどんな映画でも感じさせられます。
果たして、来月の授賞式の結果やいかに?!
【国際長編映画賞!】2022/3/28、本作がアカデミー国際長編映画賞を受賞! おめでとうございます~!!
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