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2022年3月12日 (土)

「青色LEDの発明、その後の日米での経験」

20220309_2 20220309_1  先週、表題の講演会を視聴。カリフォルニア大学の中村修二さんのナマのお話、聴いてみたかったんですよね~♪
 本講座は、東京医科歯科大のTIPの主催にて、ワシントン大の竹中先生がモデレータとなって企画されたとのこと。竹中先生のご友人であるRichard Ogawa氏が、中村修二さんとも懇意にされていることから実現した希少な機会でした。また、NECが“病気にならないためのヘルスケア”をコンセプトに立ち上げた新規事業「カラダケア」という取り組みのご紹介もありました。
 ざっくばらんな中村氏の語り口は、フランクで面白く、日米の歴史や文化の違いがあるとはいえ、示唆に富んで耳の痛いお話が盛りだくさんでした。
・司法制度や教育がしっかりしないと、ベンチャーが育たない
・日本は大企業中心のシステム
・Discovery制度のような徹底した証拠開示が求められないと、裁判の結果に当事者双方が納得できない
・アメリカのSETのように、英語と数学だけの試験を5回受けた中の最高点を使うだけの受験でいいのでは(ガレージから始まる教育)
(UCでは、この点数すら重視されなくなりつつある。日本にも、大学をなくして単位認証の仕組みでの学びを、なんて構想まであるようです…^^;)
・アメリカでは、起業していない教授を探す方が難しい
 また、東大の鎌田先生(TomyK Activity)や、C4Uの平井弁護士、ジャーナリストでTokkyo.AI創業者の小平氏も加わったパネルディスカッションも興味深く拝聴。
 日本はこの先、どう変わっていくべきか?という方向性で様々なご発言があり、
・日本は規制規則が多すぎる、アメリカにも規制はあるが、基本“なんでもあり”で契約で縛る
(cf. アメリカでは大学の器械装置は24時間フル稼働で、リースに出してベンチャーを活性化:州の財産)
・日本のIT化は相当遅れている
・最初から世界相手のベンチャーを
・若い人が海外留学に意欲を持たないのは問題
・日本人は優秀だし真面目だが、名誉止まりでビジネスに活かせない
・Well Being、Sharingの動きは、日本の良さを発揮できる時代かも
・“できない”ことを諭すのでなく、ビジネスを拓くロイヤーを
・人と人との出逢い、失敗から、学んでいく姿勢を
等など、考えさせられるご指摘のオンパレード。日本では、“清貧”というか、あからさまなお金儲けを敬遠する文化もあるせいか、そもそもの働く動機が違うような気もしつつ、少しずつ少しずつ、アメリカナイズされていくのかなぁ…と思いながら聴きました。
 とりあえず、サービス期間中に一度くらい、NECカラダケアを予約して、生涯現役でいられるようにアドバイスをいただこうかな~、と思います♪

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経済・政治・国際」カテゴリの記事

コメント

shushuさま

飯田先生のセミナー受講のご経験もあったとは?!
私は企業内での知財活用の経験がないもので(出版社はちょっと、本来の知財活用とは毛色が違いますね^^;)、実際にどんな方法で取り組まれているのかと、常々関心を持っております。shushu様は常日頃から、企業内での知財活用に取り組まれておられるんですね。
また何か、リモートで受講できる面白そうな講座がありましたら、情報共有させていただきます^^。
引き続きよろしくお願い申し上げます。

投稿: Taraco | 2022年3月12日 (土) 22時16分

Taracoさま

早速のご返事ありがとうございます。
こちらこそ、講演会の情報をありがとうございました。

東京医科歯科大の飯田先生はオープンイノベーションに積極的に取り組まれていて、medU-netを設立され初心者向けの知財セミナーを受講させていただいたことがあり、大変勉強になりました。その際にも米国のベンチャーをよく知る弁護士さんが、日本の法律は…とおっしゃっていたことを思い出しました。

NECカラダケアのお試しのご感想、楽しみにしています♪


投稿: shushu | 2022年3月12日 (土) 17時44分

shushuさま

コメントありがとうございます。
米国のベンチャー相手に四苦八苦なさったご経験がおありなんですね。確かに、自己資金でないと、気軽な半面、無責任になりがちな気もしてしまいます。
日本人は良くも悪くも真面目で責任感があって、始めたことは試行錯誤しながらとことん突き詰めたくなる性分なのでしょうか…^^;;。
日本もずいぶんベンチャー起業を推奨されるようになってきましたが、まだなかなか、一度の失敗が後に活かしづらい環境で、“冒険”になりがちですね。
米国式も日本式も、良い面もあれば悪い面もあって、天秤の掛け方が難しいと思いますが、若い人が使命感を持って仕事に取り組めることが大事なんじゃないかと感じました^^。
(「NECカラダケア」の宣伝講座だったようですが、同じ講座を聴いて、感想を共有できて嬉しいです、ありがとうございました!)

投稿: Taraco | 2022年3月12日 (土) 08時47分

Taracoさんの講演会のご案内を見て,私も視聴させていただきました。
中村さんは昔から歯に気に着せぬ語り口で物議をかもしていますが、日米のベンチャー企業、取り巻く環境、支える司法制度の違いについて率直で分かりやすくなるほどと思える内容でした。

特に,日亜化学は徳島のオーナー企業のため、東京から遠く日本の大企業の標準的な行動パターンとは異なりガラパゴスであるが、それゆえにユニークでかつ、オーナーのトップダウンで進められたのでよかったというのは非常に理解できました。同じ徳島のオーナー企業(現在は上場)に勤務していますので、本当によく分かります。

また、米国ではベンチャーは自己資金ではなくベンチャーキャピタルからの投資で、設備投資もリースでよくて気軽で
ベンチャーがうまく行くかどうかは5年程度で分かるので、うまく行かなかったら他に乗り換えることができるというのは、かつて買収した米国ベンチャー相手に四苦八苦していた時に知りたかった情報で目から鱗でした。
弊社の場合は、うまく行かなくてもオーナーの意向で続けたPJがサイエンスの発展などの周囲環境の変化もあり花開くというのはありましたが、米国ベンチャーのPJをうまく行くようにとこちらは協力しようとしているのに、自分の立場を守るため情報を開示しないとか、やると言ったのにやらないとか、都合が悪くなると辞めて別のスタートアップを立ち上げなどなど自己資金でないがゆえの身軽さであったことが今になって身に染みました。
そして、親会社の立場のこちら日本人は大変なことばかりでしたが、うまく使われてしまいました(´;ω;`)ウゥゥ
でも、ベンチャーがそのくらい気軽なものなら、どんどんうまく行きますね(どんどんできてうまく行ったところだけ残る)!

投稿: shushu | 2022年3月12日 (土) 06時48分

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