劇場版「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」
滅多に感動を表に出さない息子が先日、「ショーシャンクの空に」を観て涙していました?!
やはり、いい映画や観たい映画は、忘れないうちに観ないと!…ということで、私も、京アニの代表作のひとつである「ヴァイオレット・エヴァーガーデン」の最終劇場版を、先週日曜日にようやくNetflixで鑑賞しました。
原作小説を読んだことはないのですが、TVシリーズからずっと、繊細で丁寧な表現の数々に目を瞠ってきました。孤児で、抜け殻のようだった少女が、たくさんの人と関わり合いながら、真っ白なキャンバスに少しずつ色を塗り重ねていくかのように成長し、人の心を学んでいく物語。一話一話もそれぞれきちんと完結していましたが、この劇場版がそれら全話を総括して、ヴァイオレットの血肉となって大団円を迎えているのが見事でした!
“愛してる(I Love You)”というシンプルな言葉の意味を、しっかりと噛み締めて肚落ちさせるのに、十数年の時を要しているだけでも、心と言葉の結びつきを真摯に辿る彼女の真っ直ぐさを感じます。兵器のように命令通り戦うことしかできなかった無学な彼女が、まだ電話もない時代の手紙代筆業という仕事に就けたこと自体が奇蹟のようですが、やがては人の心を打つ詩人のように言葉を紡げるようになっていくーーー。そんな彼女の礎となっていたのが、“少佐”(ギルベルト)の存在。はじまりはただ、「孤児を武器として所有する」という非人道的な武人の家系の所業だったけれど、ギルベルト自身も、ヴァイオレットと関わることで変化し、心を通わせていくーーー。
こうして観ると、TVシリーズ本編は、この二人の別れ(プロローグ)と再会(エピローグ)の間の肉付けのようで、プロローグと本編とエピローグが、こんなにもバランスよく配された展開には、なかなかお目にかかれない。。。
温かい涙が溢れ続けるエピローグです。2018年から見つめ続けてきた彼女が、探していた“答え”を見つけられて、本当に良かった♪
【興ざめ感想】本作を“電話前/後”という技術史的な視点で眺めると、ヴァイオレットの機械義手の実現と、少佐のブドウ運搬ロープウェイの制作の、あまりのアンバランス等々、ちょっと「ありえない」演出は正直気になりました^^;。まぁ、そこらへんは本作のポイントではない、ということで、さっさと捨象~!
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