特許の手続戦略
先日、米国でのある継続出願の特許許可通知に際し、先輩が「継続出願は何度でも出来るよ」とサラリとおっしゃるのを聴いて、不勉強丸出しで「親出願登録済のこの段階でも?」と内心驚き、少し自分なりに頭を整理^^;;。
直接的に特許の仕事はしていませんが、手続戦略(←このサイトがすごく分かりやすい!)は興味深い。。。
あくまで内容本位なので、一概には何も言えませんが、日本においては、元の出願に基づいて、新規事項を追加しない特別抽出的発明なら分割出願、新規事項を追加したい改良発明については国内優先権利用という方法があります。
米国の場合には(仮出願は措くとして)、①一部継続出願(CIP)・②継続出願(CA)・③分割出願(DIV)という3つの方法があります。
①は、日本の国内優先のように新規事項を追加した改良発明に利用でき、先の出願と同様の内容は先の出願日、追加した内容は後の出願日基準で判断され、先の出願が係属している限り可能。ただ、グレースピリオドの後は先の出願も先行技術として扱われるので、利用期間は日本の国内優先の倍くらいのイメージ。新規追加される発明内容の進歩性の度合いによって、一部継続出願とするか、別出願とするかは、判断が分かれるということでしょうか。①だと、(国内優先と異なり)権利の満了日は先の出願と同じになってしまうため、そのあたりも要検討となってしまいます。
②は、①と同様、先の出願が係属している限り可能で、自発的な分割出願のようなものと考えられます。新規事項は追加できませんが、切り口を変えてピンポイントで権利化しておきたい特別抽出的な発明に関して利用できます。権利満了日は先の出願と同様になり、日本の分割出願同様、“継続出願の継続出願”のような孫出願も可能ですが、親出願時の利益を受けたいのであれば、子出願のみならず親出願も係属していることが必要(←ここ、間違っていたらご指摘ください!)。
③は、単一性違反のようなケースで限定要求を受けた際に行なう分割出願。先の出願が係属中に行なうことができ、のちのちダブルパテントの指摘も受けづらいという意味で使い勝手はいいようです。
各社独自のポートフォリオ化戦略があるのでしょうが、発明の包括的な保護に関しては、何年も議論が続いているようです。とりあえず、現状の米国でのビジネス上の留意点はJETROのレポート参照。
(cf.;米国特許法、米国特許施行規則)
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