『なめらかな世界と、その敵』
先日リビングに転がっていた『なめらかな世界と、その敵』という本。書店でも平積みになっているのを見掛けたので、最近の話題作なのでしょうか。息子がサクッと読み終えていたため、スキマ時間に表題作だけ読んでみました。(以下ネタバレ注意)
読み始めて一瞬、自分の頭がおかしくなったかのような錯覚ーーー。
そして、しばらく読み進めるうち、この小説世界では、人々はいくつものパラレルワールドを瞬時に自由に行き来しながら生きているのだとわかりました。ところが、ある製薬会社が偶然創り出した薬品により、この能力が失われてしまった幼馴染。その友人にどう寄り添うか、を決断する主人公の物語。
いやぁ、最近のラノベは、やたら何度も転生したりするものが多いのは認識していましたが、それって結局、今いる世界に飽き足らなかったり不満を抱えていたり適応できなかったり…という若者心理の現われなのかもしれませんね。ところが本作は、“ただ1つ”の世界だけにとどまることを決意するのだから、一大決心だったことは確か。でも、それが出来るのは、その世界を愛おしく感じて満足できるから。ある意味幸せな決断なのでしょう。不思議な読後感の作品でした。
表題作以外でも、「シンギュラリティ・ソヴィエト」という作品が好評のようなので、またスキマ時間に拝読してみます~♪
【地図は半分】伊能忠敬万歩計で日本地図の海岸線を歩いていますが、昨日、50%に到達したとの表示! 仮想的に伊能先生の測量に同行している気分で歩いていますが、いやぁ、大仕事です!!
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