第4回日中商標制度シンポジウム
先日、「日中商標制度シンポジウム」のWebinarを聴講。
二部制でしたが、仕事の関係で、第二部の「特定テーマに関する日中比較」の方だけ視聴しました。
・日本における地名保護に関する制度・運用について
・中国における地名保護に関する制度・運用について
・日本における著名商標保護に関する制度・運用について
・中国における著名商標保護に関する制度・運用について
・質疑応答
という構成で、日本側聴衆約200名、中国側聴衆約100名とのことでした。
地名や著名商標の保護に関しては、TRIPS協定、商標法や地域団体商標制度、GI制度、不正競争防止法、景品表示法、JAS法等が思い浮かびます。本講義は商標法上の保護についてでしたが、さすがに両国の法体系はだいぶハーモナイズが進んでいるようで、おおむね似たような保護状態にはなっている印象。以下、自分用メモ。
・中国では著名商標を“馳名商標”と言うらしい
・“馳名商標”とは、中国において関連公衆に熟知されている商標(禁:複製・模倣・翻訳)
〔酷狗:KuGou、施华洛世奇:SWAROVSKIなど〕
・悪意の大量出願には4条1項の「使用を目的としないものを排除する」規定で対応
・大量出願の数に明確な基準はなく、総合勘案(一気に異議申立できるかについては後日回答とのこと)
・「XIANG HE」(河北省香河県)のようなピンイン表記もNG(ピンインは要注意)
・証明商標、団体商標、地理的表示証明商標、地理的表示団体商標(青島啤酒は引き続き有効)
中国側の聴衆からは日本の商標実務に関し「メタバース上のバーチャル商品は、リアル商品とは非類似ですか?」とか「地名の略称も3条1項3号が適用されますか?」等の質問が出ていました。
そういえば、今年の芥川賞の候補者は全員女性でしたが、今回のWebinar第二部の登壇者は、中国側日本側それぞれ3人ずつでしたが、なんと全員女性でした! 商標分野は、特許ほどには戦略性やスピードをシビアに求められないせいか、女性が長く続けられる体制が整っているのかなぁ…と思いながら視聴しました。貴重な機会をありがとうございました。
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