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2022年10月 1日 (土)

プロバイダ責任制限法改正

20220925_1 20220925_4  本日、プロバイダ責任制限法の改正法施行。
 発信者情報開示請求ガイドラインも改訂され、別冊の「対応の手引き」も作成されたとのこと。
 先月上旬に聴いたウェビナーで、この改正法について解説いただいたので箇条書きでメモ。
【概要】
・ネット上の誹謗中傷被害者救済の強化と、ログイン時の情報開示請求可能化、海賊版対策
・新たな裁判手続の創設(非訟手続:1度で発信者の氏名/住所を迅速特定)
・開示請求できる範囲の見直し:特定発信者情報の開示も可能とした
・開示3要件:権利侵害の明白性、開示を受ける正当理由、※補充的な要件(5条1項3号ロ)
・「侵害関連通信」:それ自体では適法な通信(5条3項)
・侵害情報の送信:アカウント作成/削除通信、ログイン/ログアウト通信等
・裁判所による3つの命令:開示命令(8条)、提供命令(15条)、消去禁止命令(16条)
・国際裁判管轄、国内裁判管轄(東日本/西日本)
・決定には異議の訴え提起可(告知を受けてから1か月以内)
【ガイドライン改訂】
・WG:名誉棄損、プライバシー関係、著作権関係、商標権関係
・ガイドライン+別冊(新たな裁判手続:新設)
・ガイドライン:改正対応、名誉棄損の明白性の判断、近年の裁判例 追加
・cf.平成30年以降の16の裁判例、リツイート事件最高裁判決
・AV出演被害については特例で、照会期間が通常の7日→2日で対応
【別冊】
・発信者情報開示命令事件に関する対応手引き概要
・単一経由プロバイダのみ関与/複数の経由プロバイダが関与
・従来の2段階手続→一体的な手続で迅速に発信者を特定
(ContentsPとAccessPへの命令の申立てが併合される)
JPNIC Whois Gateway
国税庁 法人番号公表サイト
・MNO,MVNO等、複数の経由プロバイダが関与する場合も考え方は同様

 それにつけても、こうした説明を受けるだけでも、ネット上の誹謗中傷を止めさせる/消去させることが、いかに骨の折れる仕事か痛感されます。発信者が特定できても、まだその先も長そうですしねぇ。表現の自由とのバランスの取り方も難しい。小学校の頃から、よくよくネットへの書き込みのマナーを考える機会を繰り返し設ける必要がありそうですね。。。(海賊版対策を、緊急避難でない形にする対応はどうなっているんだろう…?)

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