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2022年12月23日 (金)

「鎌倉殿の13人」

 日曜日、ついに「鎌倉殿の13人」が完結ーーー。
 天晴れなラストに、見続けてよかった…と感じ入りました。
 当初、時代劇らしからぬセリフ回しやキャラクターの軽さにやや辟易し、今期の大河はパスしようかな…と思ったものでした。
 けれど、その分かりやすさや人間臭さを何話か見ているうち、知らず知らず惹き込まれ、軽妙な中にも何か一本ずっしりとした筋が通っている感じがして、それを感じ取って以降は一気に最後まで観てしまいました。まずは、スタッフ&キャストの皆さま、お疲れ様でしたm(_ _)m。感動の物語をありがとうございました!
 正直、あまりオチャラケたドラマが好きではないせいもあって、三谷幸喜さんは、尊敬する脚本家さんではあっても、好きな作家さんではありませんでした。もちろん、「刑事コロンボ」大好き人間だった者として、「古畑任三郎」を一人で書き上げた胆力も、「新選組!」や「真田丸」の魅力も、ただただ憧憬の的ではあるわけですが、好きな作家さんとして真っ先に名を挙げるかというと、そうでもなかったのです(スミマセン^^;;)。
 けれど、今回の「鎌倉殿の13人」で、すっかりファンになりました♪
 最終回放送の前日、NHKで「三谷幸喜の言葉 ~“鎌倉殿の13人”の作り方~」という密着インタビューを拝見しました。
 もしかしたら、おふざけなしであんなに真摯に語る三谷氏を見るのは初めてだったかもしれません。あぁ、こんなにいろんなことを考えながら物語を紡ぐんだ…、あぁ、こんなに各キャラクターに思い入れを持って描くんだ…、あぁ、モノづくりに対してこんなにも謙虚な方なんだ…、と、TV画面に向かって拝んでしまいました(笑)。
 「面白さはすべてに優先すると思う」とか「脚本家の出来ることはたかがしれている」とか、基本的なご自身の立ち位置をしっかり保持しておられました。吾妻鏡等、参考にした歴史書には女性の名前がほとんどない、というコメントに、まさに時代を感じましたが、本作に登場する女性たちは皆それぞれに、とても魅力的で存在感があったと思います。中途中途ではよく、あぁ、歴史において女性は恐るべきフィクサーかもな…なんて思わされた回も何度もありました。
 企画当初から、本作は「義時・泰時の親子の物語」であり、「北条家の家族の物語」であるという思いがあったということで、出色の出来栄えに合点がいった思いです(鎌倉版“渡る世間で鬼になる”?)。親が子を思う気持ち、期待、不満、心配・・・家族ならではの容赦なさや甘さ・・・そうした感情のぶつかり合いさえ、愛おしくなるような視聴後感でした。結末の政子の「おつかれさまでした、小四郎 …」という言葉に、義時はきっと肩の荷を下ろせたのだと感じました。
 作品への自分なりの評価というものは、鑑賞するタイミングや心持ち、その時々の境遇などに左右されて変わるものだと思いますが、何かと身辺ドタバタが止まらない私には、今がドンピシャの見頃なドラマだったと思います。万人が自分のドラマを生きてるんだよなぁ~と、つくづく感じた最終回でした。
(最終回の最初にまさか、吾妻鏡に熱中する松本家康が登場し、“脚本協力”に古沢良太さんがスタッフィングされるとは思ってもみませんでした! 義時・泰時から家康へ、坂東武者の世の平和志向が受け継がれますね~)

20221219_1 20221219_2 20221219_3 【運慶】この余韻が冷めないうちに、鎌倉に行くか、運慶の彫刻を見るかしたいな…と思ったら、なんと半蔵門ミュージアムという所で運慶作と目される大日如来坐像が見られるらしく! また、そのミュージアムの裏に、来年3月、半蔵門園地という公園がオープンすることを知りました♪
 さらに、ドラマの最後に、義時が泰時に託した冑佛(かぶとぼとけ)について、河村隆夫さんという方の『冑佛伝説』という本があることも知りました。
 争いの痛みを知る武家の人たちが築いたFar East Kyotoは、これからも面白くなりそうですね~♪

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