『リーチ先生』
先月末、『リーチ先生』を読了。
バーナード・リーチさんという実在のイギリス人陶芸家を中心に据え、架空の弟子の二代にわたる陶芸家親子の青春と人生を描いた物語。
陶芸家が登場する物語は、高樹のぶ子さんの「さつきさん物語」以来かな??
リーチさんは実在の著名な陶芸家ということで、言わずもがなの功績なのかもしれませんが、今回の小説では、もしかしたら彼と関わったかもしれない数々の“名もなき陶工たち”に思いを馳せ、“用の美”を追求する人たちの地道な努力が感じられる物語になっていました。
芸術家にはユニークさがどうしても求められるものですが、そのユニークさには、作家の“個性”だけでなく、陶土として用いる土の性質や、焼成する温度や時間、釉薬や題材や絵柄などなど、あらゆるものが関係するのがよく分かりました。
編集者時代の友人が、かつてイギリスのランズ・エンドを旅して、とても印象的な場所だったと話してくれましたが、その近くにあるセント・アイヴスという場所に、リーチ先生のリーチ・ポタリーがあるというのは事実のようで、いつか訪れてみたいなぁ…と思いました。
私は、どちらかというと陶器よりも磁器の方が好みに感じることが多く、今は、砥部焼にちょっと惹かれています。中でも、“ヨシュア工房”という窯元の制作する器は、砥部焼の中でも現代的・汎用的な上に個性的でユニークだなぁ…と感じています♪
本書をきっかけに、久々に美しい陶磁器をじっくり観てみたくなりました。どこかでいい展示会をやってないかな~^^?!
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