『妄想美術館』
母の友人で、私が子どもの頃の絵画の先生から、年初に数冊の本をいただきました。
そのうちの一冊『妄想美術館』をサクッと読了。
画家のヤマザキマリさんと作家の原田マハさんによる美術館対談。すごく愉しかった♪
あまり触れたことのない作品や作家さんの話も多かったけれど、お二人がいかにアートにハマり情熱を注ぎ、そのことを愉しんでおられるかが如実に伝わってくる放談でした^^。(ウッチェロという人の絵を、ナマで拝みたくなりました^0^)
私も、マリさんと同じく、美術館はTシャツにジーンズでふらりと立ち寄り、床に座って気軽に模写できるような雰囲気になって欲しいと常々思っています。
本書第4章に「未完の魅力への憧れ」というのがあるのですが、レオナルド(ダ・ヴィンチ)の“モナ・リザ”や“マギの洗礼”や、メトロポリタン美術館分館で2016年に開催された”Unfinished”という企画展の話が面白かった! 日光東照宮の陽明門が大好きなのですが、あれはある種"魔除け"の効果を狙ったものであると言われてはいるものの、「完成は崩壊の始まり」という恐れとも相まって、「世の中に、"最高傑作"なんてないんじゃないか?」というのが私の考え。筆の遅い作家さんなども、「よし! これで完成だ!」などと思って脱稿する人はひとりもいないんじゃなかろーか?? いつも何かが足りなくて、何かをやり残している気がする。。。
アートはまさに、宇宙の中の1点の個人の自己表現。他の誰にも評価なんかできず、触れる人それぞれが勝手に何かを感じればいい。それでも、時代に選ばれて遺っていく作品というものがある。マハ×マリの妄想美術館もすごく面白そうでしたが、人それぞれの妄想美術館があるのでしょうね。私の妄想美術館には、どんな作品群が並ぶかなぁ~?!
(次はマハさんの『リーチ先生』へ移行~♪)
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