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2023年4月14日 (金)

『日本アニメの革新』

20230408  刊行からずいぶん時間が経ってしまいましたが、ようやく表題の新書を読了。
(副題は、「歴史の転換点となった変化の構造分析」)
 長年のお仕事の集大成的な意味合いも感じつつ、自分自身が向き合ってきたアニメーション文化を歴史的に振り返った感じで拝読しました。
 著者が、アニメ評論家となられる以前に、理系の通信系エンジニアをなさっていたせいもあり、演繹・帰納を駆使した分析的な評論となっており、なるほど、そういう見方も出来るのかぁ…と首肯しきり。ご自身おそらくSF者と自認なさっているのでしょうから、取り上げられる作品が若干Sci-Fi贔屓なキライはありますが、時空を自由自在に表現するという意味では、アニメはすべてSFかも^0^。
 本作のキーワードは“世界観”。
 AI創作物が氾濫しつつある中、目下の私の関心事は“創作とは何か”ということなのですが、「白蛇伝」や「鉄腕アトム」から、「宇宙戦艦ヤマト」「機動戦士ガンダム」、「太陽の王子 ホルスの大冒険」や一連のジブリ作品、「AKIRA」「GOHST IN THE SHELL/攻殻機動隊」、「王立宇宙軍 オネアミスの翼」「新世紀エヴァンゲリオン」、そして「ほしのこえ」「君の名は。」…、これら以外にも連綿と続く大量の作品群にあって、歴史的に業界を転換するような作品のクリエーションは、“世界観”構築の巧みさで飛びぬけていたのかもしれません。
 著者が「あとがき」で指摘するように、アニメーションは、様々な構成エレメントの有機的結合だから、総体評価はその化学変化次第。様々なエレメントの創作性の掛け合わせが最大限機能した時、多くの人の共感を得て予想外の大ヒットになったりする、不可思議な巨大創作物です。
 すでにこれらの各エレメントは、AIによる創作で代替され得る部分も無きにしも非ずかもしれませんが、ひとりひとりの人間が、“世界をどう見ているか”、“世界をどのように観たいか”、という“世界観”の相違と共感を汲み取る感受性は、なかなかAIでは体得し難いのだろうと思います^^;;。
 世界中でハイクオリティなアニメーションが作られている昨今ですが、本書で総括されたような日本独自のアニメーションの変容のさなかに生きられる幸せを、ただただ噛み締めて本を閉じました。
 まだもう一波乱二波乱、死ぬまでに観てみたいぞぉ~!^0^♪

【次はコレ↓】
20230408_12

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コメント

太郎君の父さん、
ご無沙汰しています、コメントありがとうございます。
太郎君も大学生になられたようで、おめでとうございます!(凛々しいお姿、FBで拝見しましたよ~♪)
太郎君もアニメファンなのでしょうか…?!

白蛇伝は、全編観たわけではないですが、何かの機会にダイジェストを観た記憶があります。
今期は、「水星の魔女」「地獄楽」「マッシュル」「バーディウィング」「鬼滅」などを見ようと思ってますが、本数の多い中から自分好みのものを探すのもまた楽しみのひとつですね^^♪
同志が増えて嬉しいです~(笑)。
太郎君にもよろしくお伝えください!

投稿: Taraco | 2023年4月15日 (土) 08時31分

買って、父子で読みます~

>「白蛇伝」や「鉄腕アトム」

自分の子供のころは再放送でも上記は見たことないです。
後になってビデオで見る感じ。

その後に続く例えばスーパージェッター、オバQ、反らん、ジャングル大帝、サリーちゃんのような製作本数が増えた時代のは何度も再放送で見ました。

アニメが爆発的に増えてから現在までの作品をリアルに体験できているのは本当に幸せですね~

投稿: 太郎の父 | 2023年4月14日 (金) 13時49分

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