権利の域外適用
先週、「中国で川端康成本が売れている」というニュースを見ました。
目下、日本の著作権法では、著作権の存続期間は、著作者の死後70年になっていますが、中国の著作権法では、死後50年。
川端康成氏は1972年没のため、中国では今年から自由に出版できるようになったためです。20年の違い、大きいですよね。。。
(自国の作家の作品が、国内より国外で、先に自由に読めるようになる、ということが、なんだか変な気分です)
人は、自国の法律に縛られる、というのは、法治国家で暮らす人間にとっては当然のことですが、ネット時代の昨今、本当になんだか不都合が多いような気がしてしまいます。
そんな中、「ドワンゴが特許裁判でFC2に勝訴」とのニュースも。。。
そしてTwitterでは、こんなつぶやきがリツイートされてきました。。。
ドワンゴがFC2になぜ訴訟を仕掛けたか、栗原氏もそうだけど知財周辺の人たちは誤解、あるいは認識していない部分がある。あの裁判は、国境を跨いだネット経由のビジネスに対して、自国の法律を適用する強制力が日本にないことを明らかにするために仕掛けた訴訟だ。…
— かわんご (@gweoipfsd) May 28, 2023
大学院時代、「国際知的財産権法」という授業で、いろいろと国を跨いだ裁判例について裁判管轄やら準拠法やら国際私法における公序則やらについての検討を重ねましたが、裁判結果とその後の執行力…という所までは追いかけていなかったかも。これは別に国を跨いだ裁判だけに限るものではないかもしれませんが、、、。
AIの学習データ等の問題でも、海外製のAIがここまで見事に日本語対応していることに、バックグラウンドを色々と想像したりもしますし、いよいよもって“国境”と“インターネット”の錯綜は新たな次元に突入~!という感じです。。。
どの国も、現状のままでは弊害が大きいことを自覚して、徐々に国境をまたいだ協力体制を敷いているように見えますが、この先どうなっていくのか…。
(cf.US-Asia国際著作権シンポジウム、文化庁無料セミナー「AIと著作権」)
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