知財実務連続講演会(第1回)
先日、恩師企画のウェビナーを聴講(全4回中の1回目)。
機能的クレーム/用途限定クレームで書かれた特許請求の範囲の、権利成立と権利行使の場面での問題についてのご講義ということで、現在の私の実務にはほとんど関わりのない内容とは思われましたが、向学のため…と思っての参加です^^;;;。
私がこの業界に足を踏み入れたのは2014年ですが、クレームに“必須構成要件”が課されていた時代から、1994年の法改正で許容範囲が広がり、2005年にサポート要件重視の判決が出た後ということになります。
概念的に権利範囲が広くなりがちな機能的クレームの問題を具体的に理解させるために紹介してくださったのが、Amgen特許(悪玉コレステロールの分解に関する中和抗体について)をめぐる日米の裁判経緯。知財高裁R1.12.27、R5.1.26の逆転劇や、その後のアメリカでの結果を知り、やはり権利範囲の解釈というのは難しいものだなぁ…と、しみじみ。。。
一方、公知のものであっても新たな用途の発見をクレームする用途限定クレームについては、H26.9.24やR4.12.13をご紹介いただきました。医薬や食品分野が専門の方々は、日々こうしたことに頭を悩ませているのでしょうねぇ。
薬学に少し首を突っ込んでいる夫に後からこの話をしたら、「機能的クレームなんか認めたら、健全な競合製品が作られなくなっちゃうんじゃない?」とプンプンしていましたが、ケースバイケースでしょうか…?
1時間半の講義でしたが、私自身の現状の不勉強極まりない状態を痛感させられ、「自分の関心領域の裁判くらいは、コンスタントに追いかけないとなぁ…」と反省しました^^;;;。権利行使の予測可能性は決して高くなく、トレンドくらいは把握しておかないと…、ですね!
今年度中にあと3回、別の先生方の講義があるそうなので、時間が合えば引き続き拝聴したいと思います。
【中秋の名月】昨夜はあいにくの曇り空でしたが、それでも一瞬、雲の切れ間から、まん丸お月様が顔をのぞかせました♪ お団子も美味しかったし、言うことなし!
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