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2023年11月 5日 (日)

「AI時代の創作と著作者人格権」

20231023_03  今夏、トム・クルーズの「MIP2」の撮影延期が発表されましたが、ストライキの一因にAI技術導入への不満もありました。
 そんな中、表題のWebinarを聴講。
 著作者人格権にはかねがね関心がありますが、AI 華やかなりし昨今、著作権まわりでは最もホットな話題と言っても過言ではありません! 一人の人間が何千年もかけて学ぶことを一瞬にして身に付けてしまう超人AI の出現に、旧態依然とした人類が目を白黒させているのが現状です。
 講演者は、カリフォルニア大学デービス校のRajan教授(ArtisticなProfileページが印象的! ピアニストであり作家でもあるそうです)。ご講演のタイトルは「Authorship and Moral Rights in the Age of AI」でした。以下、自分用メモ。
・著作者人格権の起源は1709-1710年のアン女王法、1774年に判断が覆されたものの、やがて広範に広がりベルヌ条約へ…
・著作者人格権("Spiritual Child")はデフォルトで存在する(米国では制限あり:職務著作…日本・韓国・インド)
・著作者人格権=オーサーシップ=能動的な創作行為
・AI生成物を職務著作物とみなそうとする動きあり(AuthorshipとOwnershipが混乱)
・「誰がクリエーターなのか?」「誰が利益を得るべきなのか?」
・英国のみAI生成物に著作権を認めている(50年)
・登録制度の残る国も(米国・韓国・インド)、EUのAI規制法案
・著作者認定は現状、ケースバイケース、作品次第、リスク有無の観点での判断

 個人的には、「何をもってオリジナルと言うか?」とか「集団知の発露と個人知の発露のちがいは?」という疑問が拭えずにいます。
 いずれにせよ、著作者人格権に対する考え方は、国によっても時代によっても異なり、職務著作の力が強めの日本においても、「AIの遺伝子」や「PLUTO」等の傑作SFにも見られるように、若い人ほど、
人と機械(やデジタル創作物)の境界に揺らぎを抱いているように感じます。シェア世代は個人所有の欲求が低いとか…? ともあれ、今世紀かけて議論され続けるテーマですね! 貴重な機会をいただき、ありがとうございました。

壊れた魂】今、私が一番読んでみたいと思っている書籍。“協働”ということを考えることで、著作者人格権についても考えてみたいと思っています。

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