『壊れた魂』
日々溢れるように流れて来る数多の書籍紹介の中から、なぜ私が迷いなくこの本を選び、その日のうちに書店に探しに行き、読み始めたのかは分かりません。
読み終えた今思えば、”この時代”がそうさせたとしか思えない。
今の世界が、20世紀初頭当時の世界よりマシになっているのかは、正直よく分かりません。
当時、『君たちはどう生きるか』を書いた吉野源三郎氏も、今『壊れた魂』を書いた水澤章氏も、揺るぎない気持ちで勇気をもって書かれたという点で、相通ずるものがあります。
“理性的に考える”ことの大切さを、平易な言葉で訴えるこれら二作からのメッセージを心で受けとめたなら、ただちに武器を置かなければならないと感じるはず。誰がいい誰が悪いではなく、人が相争うということが、巡り巡れば無益でしかないことを肝に銘じなければ。。。
地球というパブリックなものの、どこをどう切り取っても、所詮は誰のものでもないし、誰一人として他の誰かに服従する必要などないのだからーーー。人生は、協奏曲を奏でるように、自分を活かすとともに他の誰かを活かしてこそ!と思える作品です。
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