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2023年12月10日 (日)

「属地主義と知財権の越境侵害」

 過日、弁理士会主催の研修会直後に行われた表題のWebinarを聴講。
 知財法における属地主義の意義を明らかに…との概要説明を読んで、すかさずポチッと参加申し込みしてしまいました。特・意・商・著の各分野の裁判例を挙げて解説してくださるようでしたが、個人的にはChatGPTや生成系AI,メタバースでの問題にどう敷衍出来るのかに注意して聴きたいと思いました。
 属地主義については、BBS事件・カードリーダー事件・LANCASTER事件等の判旨が示されますが、インターネットの所期思想と照らし合わせると、どうしても現実との齟齬を感じざるを得ません。以下、ご講演を聞いての自分用メモ。
・コメント配信システム事件(越境システムでも生産・実施該当となる場合もあり、総合考慮)
・コメント表示プログラム事件(実質的かつ全体的にみて国内で行われたものと評価できれば提供該当となる場合もある)
・インターネットサーバのアクセス管理・モニタシステム事件/電着画像の形成方法事件(越境提供と使用の対比案件)
・輸入に関する商標法・意匠法のR4改正
・WIPO著作権条約8条はアンブレラソリューションで各国それぞれ採用
・ファイルローグ事件(サーバは国外でも…)
・特許権の属地主義の問題回避のために、クレーム手法も工夫されている
・まだまだ予測可能性は低い??
(貴重なご講演の後の恩師のコメントがまた面白く、裁判官と学者と実務家の事件の見方や役割の相違を感じつつ、ご講演者の弁護士先生の日頃の実務要請と、大合議での裁判体の慎重な総合考慮との、考え方のコントラストを浮き彫りにしてくださり、勉強になりました。法のグローバリズムvs.司法小国主義の様相、興味深く拝聴しました、ありがとうございました!)

 ChatGPTのサーバがどこに設置されているのか、私は正確に把握していません。莫大なエネルギーと水とを要するIT事業で、それらの負荷を背負いつつ、当然のように世界展開をデフォルトで考える場合、上記のような各国法のクリアランスは、誰がどう事前検討しているんだろう…? イケイケどんどんの起業家のもと、日夜調査研究を続ける法実務家の皆さんを取材したドキュメンタリーとか、ないかな~(^0^;;;??
 夫が、OpenAIに月$20納めた上、Mathematicaと連動させるにはさらにサブスク的に料金が必要みたいだ…と嘆いていましたが、そもそもの学習データ等の著作権についての話はあまり聞きません。今世界では、国境をめぐる争いが顕著に目に見えていますが、地勢のみならずいろんな分野で、国境を意識せざるをえない時代ですねぇ…。。。

20231207 【ビーフシチュー】この日は2つのWebinarを立て続けに4時間ほどぶっ通しで視聴したのですが、その間+αの時間、牛スネ肉のシチューを煮込み続けていたら、翌晩、絶妙のホロホロ具合になりました♪

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