著作者人格権…
ここしばらく、痛ましいニュースを巡り、様々な声を耳にします。
著作権と著作者人格権とビジネスをめぐる多角的な問題だし、当事者でもないので、ただただ事の成り行きを見守っています。
出版権を預かる者の迷い、原作者の血の滲むような創造、脚本家の四方への配慮とオリジナリティ、ビジネスとして成功させるための関係各所の努力…どれも理解できるがゆえに、今回の不幸は尚更痛ましい。。。
肝に銘じなければならないのは、著作者人格権は絶対だということ。
ただ、その権利の受け止め方や考え方は、著作者によっても様々だし、時と場合によっても変わって来るということ。
そして、著作者人格権のうちの同一性保持権と、著作権における“翻案権”とは、著作者視点の権利であって、作り変える側にとっては“改変”や時に“創造”であるケースもあるということ。
世の中の多くの著作物は、往々にして入れ子構造やモザイク構造になっていて、もちろん核になる著作物はあるにせよ、いろんな創造性がそこに付加されていく。。。また、世の中へ発信・頒布していく術をもつ者の影響も、ビジネスとしては看過できない。。。
だからこそ、核たる著作者の声を丁寧に拾い上げて、出来るだけ尊重する姿勢を貫く代理人が必要なのだけれどーーー。
こうして見ると、創造物って本当に“子ども”みたいだなぁ…と思います。
産み落としたが最後、親の与り知らぬあらゆる環境が“子ども”に影響を与え、やがては一人歩きを始めてしまう。
どこまで行っても“子ども”は“子ども”なのだけれど、“子ども”にも確固たる人格が備わって、親の出る幕がなくなってくる。。。
編集者時代は、この親子関係を良好に保つために常に四苦八苦していたわけですが、関係各所の尽力で“子ども”がビッグになればなるほど、親の声が届きづらくなる皮肉。。。
それでもやっぱり、親がいなければ子どもは生まれなかったんだよねーーー
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